大学院の修士課程在籍時に家庭教師のアルバイト。生徒は宿題もやらず授業にも集中しない。本人にやる気がなければ教師がいくら頑張って教えても限界があると痛感。

大学院の修士課程在籍時に家庭教師のアルバイト。生徒は宿題もやらず授業にも集中しない。本人にやる気がなければ教師がいくら頑張って教えても限界があると痛感。

【性別】男性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
23歳

【当時の職業】
アルバイト

【当時の住まい】
実家のマンションで親と同居

【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
転職して、違う業種で働いている





【就職のきっかけと経緯】
大学院まで進学したので、勉強に関してさまざまな経験をしており、それを活かすことができると思ったから。

【環境と仕事内容】
大学院でのティーチング・アシスタントの仕事などもあったので、家庭教師は長期で男子中学生を1人、短期で別の男子中学生を1人だけ週1で1日2時間担当した。
短期の生徒が終わってからは、長期の生徒1人だけを担当していた。
給与はともに時給1500円。
長期の生徒は勉強全般が苦手で、特に成績の低い英語と数学を指導、短期の生徒は真面目でやる気があったので、高校入試までの数ヶ月間だけ国語・英語・数学を指導した。

【大変だった時期】
大学院の修士課程在籍中に働き始め、初めから大変だった。




【大変だったこと】
長期で指導した生徒にやる気がなく、指導中でも平気でゲームを手にしたりして遊んでしまっていた。
注意してやめさせても明らかに嫌々勉強に取り組んでいる様子で、私が分かりやすいように解説してもほとんど頭に入っていないのが分かるくらいだった。
宿題も、簡単な課題しか与えていなかったのだが、何度言ってもそれすらやらず、勉強のモチベーションを上げさせるのに苦労した。
最終的に勉強は「自分でするもの」で、教師はそれをサポートするのが仕事だと思うので、本人にまったくやる気がなく諦めている様子だと、正直どうしようもないと思った。
その家庭教師会社の方針で「勉強が嫌いな生徒ばかりなので、生徒に厳しいことは言ってはいけない」というルールがあり、確かにその通りなのだが、甘やかしすぎるのも良くないのではないかと思った。

【大変だった期間】
大学院を修了して家庭教師を辞めるまでずっと続いた。




【当時の心境】
長期で担当した生徒には家庭環境の問題もあり、その生徒には弟が2人いたのだが、その弟2人に普段からゲームなどを占拠され、親も「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」というようなことを言っていたので、抑圧された日々を送っている様子だった。
夜中に起きてこっそりゲームをやっていたこともあったそうで、それが原因で学校の授業ではよく居眠りをしていたという話だった。

【職場が大変だった原因】
会社の方針(生徒に厳しいことをいってはいけないというルール)と、その生徒の家庭環境が大きな原因だったと思う。




【仕事で良かったこと】
英語に関しては最後まで赤点が続いてしまったが、数学に関しては手取り足取り教えた結果何とか赤点はギリギリ回避できるようになり(その生徒の中学では30点未満が赤点)、30点台までは成績が上がった。
そのことに関しては指導の甲斐があったと思う。




【特にひどかった最悪の出来事】
その生徒の親御さんともよく話をしたのだが、生徒の悩みを聞いてその内容を伝えても、最後まで「それはうちの子自身の問題」という考えを曲げず、必要以上に厳しくしている様子(激しく怒鳴る、ゲームを禁止する、など)が見受けられた。
「ちゃんと勉強すればゲームだってやらせる」という話ではあったのだが、生徒にとっては真逆で「弟にゲームを独り占めされるし親もゲームをやらせてくれないから勉強に身が入らない」ということだったので、対立していて難しい問題だと思った。
もちろん、中学生の言うことなので、こういうのは勉強をサボるための言い訳である可能性も否めないのだが、子どものことは親が一番よく分かっているはずであり、家庭教師はあくまで勉強を教えることが仕事なので、私がどこまで口出しして良いものか悩んだ。




【相談した人・助けてくれた人】
家庭教師会社にもその話はしたが、個々の家庭の事情には口出ししないというスタンスだったので、特に何もしてくれなかった。
生徒の状況はその都度親御さんに報告していたが、特にその生徒への接し方を変えることもなかった。

【改善のための行動】
最終的には「家庭教師はあくまで勉強を教えることが仕事だから勉強を教えることだけを考えよう」と思い、自分の職務を全うすることだけに精を出した。
成績が上がれば少しは家庭の状況も改善するだろうと思い、少しでも成績を上げてもらうために自作のプリントを作るなどして頑張った。




【現在の状況と心境の変化】
大学院修了とともに家庭教師を辞め、別の家庭教師に引き継いだのでその後のことは何も分からないが、正直私は研究者タイプであり学校教諭・家庭教師・塾講師といった教育職よりも大学教員の方が向いているのではないかと思っているので、今は大学院の博士課程に行くことを考えており、また家庭教師をやるつもりも一切ない。

【学んだこと】
教育には勉強を教えること以外の苦労もあり、生徒や親御さんとのコミュニケーション能力もかなり必要になるということがよく分かった。



【当時の自分へのアドバイス】
今振り返れば、生徒を甘やかすと、教師は簡単に舐められる。
もちろん生徒の気持ちや事情を理解することも必要ではあり、飴と鞭の使い分けは必要かも知れないが、時には生徒のことを「分かった上で」あえて心を鬼にすることも必要だと、当時の自分に言いたい。
昔放送されたドラマ「女王の教室」ではないが、厳しさも優しさのうちであり、教師はあれくらい厳しくしても良いのではと思う。