【家庭教師】生徒に寄り添ってやることは出来たが、勉強に向かわせてやることは出来なかった話

【家庭教師】生徒に寄り添ってやることは出来たが、勉強に向かわせてやることは出来なかった話

【性別】男性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
22歳

【当時の職業】
家庭教師のバイトに登録していました

【当時の住まい】
当時つきあっていた彼女とアパートで同棲

【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
転職して、違う業種で働いている





【就職のきっかけと経緯】
大学の掲示板に家庭教師の求人が掲載されており、就活も終えて時間が出来たので、応募してみようと思いました。

【環境と仕事内容】
中学生の女子に数学と英語を教えてほしいという依頼でした。
週に2回、火曜日と木曜日の夜に、家を訪ねて指導します。
保護者は最初はまともな人に見えたのですが、その割に子供がやんちゃというか、そう簡単には言うことを聞いてくれなさそうな雰囲気がありました。
学校の勉強にもついていけていないという話で、これは大変だなという気持ちでした。

【大変だった時期】
大学生としてバイトを始めた22歳の頃。
1年だけ働いたその1年。




【大変だったこと】
家庭教師として教えに行った初日は、生徒も机に向かってくれたのですが、2回目に訪れた時にはもう、全く勉強をする気もないようで、私が部屋にいても平気でゲームを立ち上げたり、スマホをいじったりしていました。
私には友達のようにざっくばらんに接してきたのですが、同時になめられている感じもあり、勉強の必要性を説いても笑って流されてしまいました。
また、生徒のやる気を引き出せないことを保護者から責められ、私が登録していた家庭教師のバイトの本部にクレーム電話を入れられることもありました。
週に2回、その子の家に行っても、やっていることは家庭教師ではなく、響くことのないカウンセリングのようで、何をしているのか自分でわからなくなりました。

【大変だった期間】
就職してバイトを辞めるまで、1年続きました。




【当時の心境】
個別指導塾でバイトをしていたこともあり、その時は生徒は皆、自分から勉強に励んでいたのですが、それがいかに恵まれた環境だったのかを痛感しました。
同時に、生徒のやる気を引き出すのは、第三者では難しいという諦めも抱きつつありました。

【職場が大変だった原因】
明らかに、家庭における親の愛情不足だったと思います。
根本的な部分で満たされていないので、勉強に身が入らないのです。




【仕事で良かったこと】
結局、最後までその子のやる気を引き出すことは出来ませんでしたが、色々な相談事をしてくれることはありました。
悩める中学生の話を聞いて、一緒に物を考えることは、それ自体は大変意義を感じる、やりがいのあることでした。




【特にひどかった最悪の出来事】
普段、私の手腕不足を責めるのはその子の母親の役割だったのですが、ある時出てきた父親に、ほとんど恫喝のような勢いで私の落ち度を責められたことです。
私は賢明に、その子の意識に働きかけようとしていたのですが、「遊びに来ているのではないか」「軽い気持ちでやっているのだろう」と咎められ、しまいには「娘のことが好きなのだろう」「手を出しているのではないか」などと根も葉もない疑惑をかけられました。
私を責める前に、まずは両親がきちんと子供に注目し、必要な愛を注いで指導してやることが必要なのに、この人たちはそこから目を背けて私を責めて、何がしたいのだろうという気持ちになると同時に、その子がかわいそうになりました。




【相談した人・助けてくれた人】
当時、塾や家庭教師などの教育系のバイトをしている仲間が身近にたくさんいたので、相談する機会は多くありました。
ただ、周りもそれぞれ試行錯誤している段階だったので、効果的な解決策を見出せた人はいませんでした。

【改善のための行動】
ついに生徒のやる気を引き出せないなら、せめて良き相談相手、理解者になろうとは努めました。
学校生活もうまくいっていなかったらしく、その子にとって私の存在が数少ない安らぎになっていたことは事実なようでした。




【現在の状況と心境の変化】
社会人になり、教育業界からは遠ざかったものの、自分も人間として大きく成長しました。
自分の中に色々なものが詰まった今であれば、もう一度あの子のような生徒と出会えば、心を動かしてやれることがあるかもしれないと感じたりします。
当面は教育業界に戻るつもりはありませんが、いつか年取れば、また携わりたい気持ちがあります。

【学んだこと】
うまく言葉に出来ませんが、退職の時、その生徒から手紙を貰いました。
力不足だったにも関わらず、私に感謝を伝えてくれる手紙で、人が人として出来ることの限界と、しかしその温かさを感じました。



【当時の自分へのアドバイス】
当時の自分として出来るだけのことはやったと思います。
家庭教師のバイトとしての役割に徹し、冷徹に勉強を叩きこむという選択肢もあったかと思いますが、満たされず、寂しさを抱えた生徒の気持ちに少しでも拠り所を作ることが出来たのであれば、自分は間違っていなかったと思います。
次はもっと、大きな助けになってやれるよう、自分自身も成長することが大切だと思います。